平井堅「Ken Hirai 30th Anniversary Ken's Bar Special !! 2025 – 2026」@代々木第一体育館 2026/2/22

気づけば、平井堅の生歌を聴くのは約7年振り。
最後に足を運んだのは「ノンフィクション」のリリース直後。
思えば彼は不思議なアーティストで。
「POP STAR」と「FAKE STAR」という極端な二面性を行き来しながら時折「告白」のようなドロリとした情念を覗かせるかと思えば、槇原敬之の世界観にも通じる「君のすきなとこ」のようなピュアな日常を紡ぎ出したり。
でも近年は「グロテスク」に象徴されるヒリつくほど内省的な言葉が増えて、正直「この人本当に大丈夫…?」とこちらが勝手に心配してしまうレベルにまで到達しているように思えて。
元々生真面目で繊細、気分の浮き沈みさえもそのまま歌詞にしてしまう人だ。
知人の自死をきっかけに生まれたという「ノンフィクション」以降、彼が受けた精神的ダメージは計り知れないように見える。
そこからコロナ禍を経て、本人も「コロナうつに近い状態だった」と語るほどの長い沈黙後のライブ。
SE. Dexter's Tune(映画「レナードの朝」より)
<1幕>
01. 赤とんぼ(童謡)
02. 知らないんでしょ? / 琵琶(逢坂誉士)
03. Aqua(坂本龍一)~ 僕は君に恋をする / ピアノ
04. the flower is you / ギター
05. KISS OF LIFE / ピアノ
06. And So It Goes(Billy Joel)~ Gaining Through Losing / ピアノ
<2幕>
07. Ring / ハープ(朝川朋之)
08. キミはともだち / ドラム(河村"カースケ"智康)
09. LOVE OR LUST / ベース(亀田誠治)
10. REGRETS(KAN)~魔法って言っていいかな? / ギター
11. Danny Boy(アイルランド民謡) ~ POP STAR / フルバンド
12. かわいそうだよね / チェロ(徳澤青弦)
13. ノンフィクション / ギター
<Encore リクエストコーナー>
14. 夢のむこうで / ピアノ
15. キャッチボール / ギター
16. ふるさと(童謡)
ステージに現れたのはいつもの洒落たバーカウンターではなく、そこに広がっていたのは見渡す限りの荒れ果てた草原。
おそらく造花ではない生々しい本物の植物たちが醸し出すひどく乾燥した空気。
その荒涼としたセットの中で行われたのは楽器1本とボーカルのみという、まるで剥き出しの実験のような構成だった。
驚かされたのはそのミニマリズムの説得力。
琵琶一本で奏でられる「知らないんでしょ?」や重厚なベースのみで歌い上げられる「LOVE OR LUST」。
ボーカルという圧倒的な体幹があってこそ成立する力業だけどこれほどまでに聴かせる曲へと昇華されるとは想像もしていなかった。
しかしライブが進むにつれ胸の奥に重苦しい感触が残る。
全体を支配するのはどうしようもないほどの暗さ。
アップテンポな曲でさえ心が跳ねない。
幕開けと幕引きに置かれたのは童謡。
それは失った純粋さを取り戻そうとする原点回帰か、それともすべてを忘れて眠りにつきたいという胎内回帰の願望なのか。
開演前に流れていたのは映画『レナードの朝』の劇伴。
あの一時的な目覚めのあとに待っている運命を思うと嫌な予感がする。
彼はこのステージを終えたらまた長い長い眠りに就いてしまうのではないか…と。
願わくばいつの日か。
ポップでキッチュで、そして大人のエロティシズムを歌い上げる彼をまた見てみたい。
それがいつになるかは分からないけれど、再び彼が心からの笑顔でステージに立つ日まで、静かにそして気長に待ち続けようか。
松任谷由実「YUMING SURF&SNOW in Naeba Vol.46」2026/2/23(配信視聴)

1年振りの苗場。
と今年も書きたかったのでありますが、生憎チケットが入手できず最終日の配信で視聴。
このブログは実際に現地でライブ参戦した感想を書くべきものと決めてはいたのですが、あまりにも悔しい事とこの屈辱(笑)をバネに来年は絶対にチケット取ってやる!との意気込みでとりあえずの視聴記録として書き残しておくことに急遽方針転換(我ながら性格悪いなおい)
にしても。
どうせこのブログなんて誰も読んでないだろうから(ホントか?)書いてしまうけど、今回の苗場でチケット入手出来た方ってみんな個性が強いというのか、それこそユーミンの曲では無いけど「ほしいものはほしいと言った方が勝ち」のような方が多いように見えて。
引き寄せの法則を信じるわけではないのですが、握った物を離さない握力の力、のような願望の強さを感じるわけで、これって生きて行く上で意外と大事な力なのかもなぁ…と今回しみじみ感じた次第(だからと言ってスピ系に目覚めるわけでもなく(笑)
01 .Misty China Town
02. 満月のフォーチュン
03. 恋の一時間は孤独の千年
04. CHINESE SOUP
05. 残暑
06. たぶんあなたはむかえに来ない
07. ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ
08. HONG KONG NIGHT SIGHT
(リクエストコーナー)
09. さみしさのゆくえ
10. 大連慕情
11. 少しだけ片想い
(リクエストコーナー終わり)
12. BABYLON
13. 砂の惑星
14. Rāga#3
15. Glory Birdland
16. 輪舞曲
17. スラバヤ通りの妹へ
18. 春よ、来い
19. 永遠が見える日
20. Sillage~シアージュ
21. Weaver of Love~ORIHIME
22. 春よ、来い
(アンコール)
23. ひとちがい
24. BLIZZARD
25. 雪月花
(Wアンコール)
26. 雪だより
(TRアンコール)
27. 経る時
オリエンタルがテーマというけど会場のセットはシノワズリ、前半の選曲は中華系、後半は多国籍な感じかな。
今回はライブで披露していない曲が多いですと言ってたけど、いやいや意外と歌っているじゃないですかと突っ込みたくもなる(Misty…は確かにツアーで歌っただけの記憶だけどさ)
特に「HONG KONG…」なんて歌い終わった後に「越谷大好き!」と雄叫んでくれたら大受けだったのに、とかね(このネタ分かる人友達になりましょう(笑))
現地で一番聞きたかったのは「ひとちがい」「残暑」かなぁ。
今回のアルバムでセルフカバーした事もあって麗美のイメージに引っ張られて今回のテーマをオリエンタルにした?とか色々と妄想膨らますのも楽しい。
あー来年はちゃんと現地に行きたいな。
松任谷由実「THE WORMHOLE TOUR」 2025/11/17初日@府中の森芸術劇場どりーむホール(セトリ有)

ニューアルバムを引っ提げての全国ツアー初日。
関西在住の友人がFC経由で取ってくれたチケットに便乗する形で参戦(いつも申し訳ない…)
ニューアルバム「Wormhole / Yumi Arai」のコンセプト、wikipediaにはこんな事が書いてある。
"本アルバムでは「もし荒井由実が肉体を離れ、別の次元で生きていたら?」「“多次元の世界”があるとするなら、そこに存在する荒井由実はどんな音楽を作っているのか?」という想像のもと、Chrono Recording System(クロノレコーディングシステム)と名付けられた独自の制作手法が導入された。荒井由実時代から現在に至るまでのボーカルトラックを当時のマルチテープから抽出し、音声合成ソフト「Synthesizer V」に学習させ、その膨大な声の記録をもとに、“荒井由実~松任谷由実”の声を再構築・合成し、“第三”の松任谷由実の声を作り上げて楽曲が製作された"
まぁ正直言ってここのところずっとライブではオリジナルキーで歌える曲も少なかったから(女性は加齢でキーが下がるのは致し方ない)コンセプトが加わる事で公明正大にボーカルを加工しましたよ、という事なのか。
じゃあライブとなった時にどういう演出方法になるんだろ…と若干の不安を抱きながら府中へ。
01. ジャコビニ彗星の日
(MC)
02. 不思議な体験
03. DARK MOON
04. キャサリン
(MC)
05. 星の物語
06. SWEET DREAMS
07. Nobody ELSE
(MC)
08. 文通
09. ひとつの恋が終わるとき
10. 静かなまぼろし
(MC)
11. 岩礁のきらめき
12. 天までとどけ
13. 烏揚羽
(MC)
14. ずっとそばに
15. かんらん車
16. 小鳥曜日
17. CINNAMON
18. ベルベット・イースター
(MC)
19. ひこうき雲
20. 時をかける少女
21. ダンスのように抱き寄せたい
22. そして誰もいなくなった
(EN)
01. やさしさに包まれたなら
02. 14番目の月
03. DESTINY
(DEN)
01. 卒業写真
ツアーテーマはそのものずばり「宇宙」。
リップシンク少なめでいつものライブに比べると生歌が多め(意外と声は出ていたように思う。初日だからなのか?)
今回のアルバムと同じ手法でボーカルを載せる事は今のライブでは不可能(それ故今回は全て本人歌唱による)とMCでも述べていて、まぁそりゃそうだろうなぁとこの点については納得した次第。
選曲についてはオープニングから宇宙に関連する曲が選ばれたまでは良かったものの、新譜からの曲が続く中盤は個人的にはやや散漫な印象だったかなぁ。
新譜はバラエティ豊かと言えば聞こえは良いけど、荒井由実と松任谷由実の邂逅≒wormhole≒宇宙にテーマを置いたのはちょっと大風呂敷広げすぎたんでは?と。
新譜はあくまでも実験企画として、ツアーでは荒井由実時代の曲を中心に新譜も少し織り交ぜればもう少しすっきりとまとまったんじゃないの?と思ったり。
なーんてユーミン聴いてる歴長いだけの中途半端な一ファンはこう思ったりするわけです。
ディープなファンの方には絶対同意は得られない事は重々承知の上での愚痴なのでご容赦。
会場にいた皆が皆こんな事を考えていたのかどうか知る由もないのですが、ライブ中わっと盛り上がり始めたのは「時をかける少女」からだったしなぁ…ここで書くのも野暮なぐらいの名曲(自分だけかもしれんけど泣けるんですよねこの曲)
そして2曲目(不思議な体験)のイントロと本編ラスト(そして誰もいなくなった)のアウトロが微妙にシンクロしてる仕掛けにはうむむと唸ってしまいましたね…正隆さんはそれを狙って今回のツアー選曲した?と思えるぐらいに見事(そうすると1曲目の存在はプロローグになるのか?)
あ、そうそう、今回のツアーからドラムはレベッカの小田原氏から原治武さんに変わったんね。
来年レベッカでツアーあるのかな(そっちの方にも期待してしまう)
EPO「ベスト・ヒット・ライブ ~45th ANNIVERSARY PARTY!!~」 2025/9/19@LINE CUBE SHIBUYA(セトリ有)

EPOがデビューしてから45周年を記念してのスペシャルライブ。
本当なら5年前に40周年として開催したかったのにコロナ禍でタイミングを逃して今回のライブに至りました…とMCでもコメントしていた通り、久々の周年ライブとあって会場は往年のファンで熱気ムンムン(チケットは即日完売だったそうな)
にしても45年前…1980年デビューということは聖子、奈保子、芳恵と同期。
こうして見るとなかなかパンチのある並びだったり(笑)

01. くちびるヌード・咲かせます
02. Park Ave. 1981
03. うわさになりたい
04. 私について
05. パレード
06. 音楽のような風
07. 雨のめぐり逢い
08. 雨のケンネル通り
09. HARMONY
10. 同窓会の知らせが届いた (新曲)
11. 太陽に PUMP! PUMP!
12. Gift ~あなたはマドンナ~
13. 12月のエイプリル・フール
14. 無言のジェラシー
15. Down Town
16. 土曜の夜はパラダイス
(EN)
01. VITAMIN E・P・O
02. う・ふ・ふ・ふ
今回はバンマスに清水信之氏が加わっていることもあって氏のアレンジ曲がほとんどだったりするのだけど、それでもヒットパレードと冠したライブだけあってシングルヒット曲やひょうきん族のED等々有名どころ、初期のアルバム曲を散りばめて昔からのファン向けに満足出来る選曲。
ただ暗黒期というのか、ひたすら内省的で精神世界に没入していた時期(アルバムだったら「WICA」あたりかな)の曲はセレクトされていなかった。
色々な模索を経てポップなEPOに戻って来たと自身もMCで話していたからなぁ。
個人的にはEPO自身も好きと話して歌い始めた「無言のジェラシー」がホント好きで。
声は底抜けに明るいのにほんの少しだけ屈折したねっちょりした感情を歌詞にするのがとても上手い(なのに曲調はしっかりポップってところも)
嗚呼、次のライブは「GO GO EPO」「Free Style」辺りの曲を聞きたいなー。
昔ライブハウスで開催した1日1アルバムだけを歌うライブ、また演って欲しい(マジで良い企画だったと思うんですよ)
竹内まりや「souvenir 2025 mariya takeuchi live」 2025/6/24@Kアリーナ横浜(セトリ有)

今を遡ること4年前。
購入した映像作品発売特典でライブチケット先行に奇跡的に当選してかなり浮かれていた。
気になっていたフォロワーさんを同行者にお誘いしてたこともあって、ちょっとだけムフフな感じも期待しつつライブを楽しみにしていたのですが。
その後のコロナ禍で敢えなく中止に…ガッカリすると共に(コロナ禍とはいえ下心有りだったのがいかんかったのか…)と変な反省もしたりして。
で昨年になってツアーの仕切り直しのアナウンスと、ひとまずその時当選した人が先行の先行で申し込めるというお知らせメールが。
うわぁどうしよう行きたいのは山々だけど一番忙しい時期だしなぁ(今年忙しいのは確定していた)…と悩んでいるうちにあっという間にチケット完売(当たり前)
もう竹内まりやともご縁が無いのかと諦めかけていたら、職場の仲良し女史(同い年)から同行者にあんた入れるからチケット申し込んでいい?との連絡。
有り難さ半分、いやでも行けなくなる可能性も半分だけどいい?とエクスキューズ付きでお願いした今回のライブ。
(結局チケットは無事確保出来て無理矢理半休入れましたが(笑))
01. 元気を出して
02. Forever Friends
03. マージービートで唄わせて
04. 家に帰ろう ~マイ・スイート・ホーム~
05. 歌を贈ろう
06. ブルー・ホライズン
07. リンダ
08. 五線紙
09. 象牙海岸
10. アンフィシアターの夜
11. 告白
12. 静かな伝説(レジェンド)
13. カムフラージュ
14. 幸せのものさし
15. J-BOY
16. プラスティック・ラヴ
17. 人生の扉
18. 駅
(EN)
01. All I Have To Do Is Dream(竹内まりや, 山下達郎)
02. September
03. 不思議なピーチパイ
04. いのちの歌
竹内まりやが好きじゃない、というフォロワーさんがいる。
かつて好きだったけど今はあまり…というフォロワーさんも。
どちらの言い分も物凄く乱暴にまとめると「鼻持ちならない女の曲」という事らしい。
正確に書くなら、いやらしい言い方だけど美人で優等生でお金持ちが描く歌の世界、決して非モテではなかった道を歩んできた人だから「けんかをやめて」なんて曲を書けたわけで(改めて聞いてもあの当時の河合奈保子だから歌えた歌詞だよな)そんな人が還暦前後から人生について歌い始めても今ひとつ説得力に欠けると。
早い話、庶民を向いて歌っている訳じゃない、ターゲットが明らかにハイクラス向け…とまぁ長く書けばこうなるらしく。
あー…まぁその気持ちも分からなくも無いんだけどさ(笑)
市井の名も無き偉人を歌にしても中島みゆきが「地上の星」ならまりやは「静かな伝説」になってしまうという音楽的スタンスの違いがあるだけで、どちらかが正しいってもんでもないし。
実際にライブで聞くとどちらも胸に染み入るものだなぁというのが実は今回の一番の感想。
竹内まりやは一貫して(「元気を出して」にもあるけど)長い人生思うほど悪いもんじゃないよ、というメッセージを込め続けているし、特に仕事に疲れている時には押しつけがましさの無いこういうエールが一番心に刺さるんですよね…
※なのに(あくまでも幸せな人が考える)不倫を匂わす曲がちょいちょい入る不思議さよ。
口の悪いお姉様は「音楽界のハーレクイン」と言ってたっけ。
まぁそれはちょっと言い過ぎな気がする(笑)
今回のツアー、RCA時代からのピックアップで6〜9曲目を歌ったけど、アンコールを入れたらそこそこの選曲量。
しかもアルバム「Love Songs」からのチョイスが多くて、名盤の誉れ高いのも分かるんだけどこの時代からファンになったであろう層が客席に圧倒的に多かったしなぁ。
異様に盛り上がったもの(やっぱり「September」は名曲。生で聞けて本当に幸せでした)
松任谷由実 SURF&SNOW in Naeba Vol.45 2025/02/07(セトリ有)

1年振りの苗場。
と昨年も書いたと思ったけど嗚呼このはてブロも1年振りだったか。
いや、昨年から色々とライブには行ってた筈だと思い出してみたものの、夏にコロナに罹患して藤井風を見送ったきりで何も行ってなかった事に我ながらがく然。
今年は色々とライブ参戦を予定しているのでまた地道に書いていこうかなと思う次第。
で1年振りの苗場(しつこい)
今年は災害級の寒波に襲われて新潟もかなりの大雪。
行きの新幹線も遅れ気味だったけど、帰りの新幹線も約2時間遅れの到着とかなり混乱していた。
苗場も相当吹雪いていたしなぁ…こんなに大荒れの苗場も久々に見た気がする。
01. 恋は死んでしまった
02. セシルの週末
03. グレイス・スリックの肖像
(MC1)
04. ベルベット・イースター
05. ひこうき雲
06. 翳りゆく部屋
(MC2)
07. Miss Lonely
08. 時のないホテル
(ここからリクエストコーナー)
09. Valentine's RADIO
10. カンナ8号線
11. 今だけを きみだけを
(リクエストコーナーここまで)
(MC3)
12. 星のクライマー
13. 心ほどいて
14. 夜空でつながっている
15. SHANGRILA をめざせ
16. やさしさに包まれたなら
17. 中央フリーウェイ
(MC4)
18. 離れる日が来るなんて
19. Early Springtime
(MC5)
20. 私のフランソワーズ
21. 14番目の月
(EN)
01. Hello, my friend
02. BLIZZARD
(DEN)
03. GREY
(TEN)
04. 卒業写真
今年のテーマが「PIANO GIRL, THANKS GUYS」。
ピアノの弾き語りをメインにこれまでユーミンのライブに関わった、そしてもう会えなくなってしまったミュージシャンに捧げるセトリ。
選曲もスタッフでアイデアを出し合って決めたとのユーミン自身のコメントもあり。
※セトリにもあった「星のクライマー」は植村直己さんに捧げた曲で今年この曲の歌碑が出来る事からこのテーマになったのかなと推測。
こうして見るとうっすらと死の匂いが漂う選曲多め。
それも「ツバメのように」や「コンパートメント」のような自死ではなく(ユーミンは自死に関しては突き放した視点で歌詞を書いている気がする)その存在(フィジカル)を不可抗力で無くしてしまったメンバーの思慕を感じる選曲。
若くして亡くなられたギターの中川雅也氏や、つい最近だと新川博氏等々…キャリアが長い分、別れも多くなるものなぁ。
そしてこのテーマはダブルアンコールの「GREY」で締められる。
遣る瀬なさを唯々静かに懐かしみ受け止めるユーミンがとても気高く美しい。
正隆さんが苗場のライブでは一番の出来と言ったのも頷ける。
個人的には「Miss Lonely」にやられた感じかなぁ。
「セシルの週末」や「時のないホテル」もそうだけどやっぱりあのアルバムは名曲だらけ(力説)
アルバム全曲とあの世界観を再現したライブを是非今のユーミンでやって欲しいんだよなぁ。
それとライブに直接関係ないけど気になった事が一つ。
苗場という場所だけにコアなファンが集うライブのはず、なんだけど今回は何となく薄い。
薄め、というのはかなりぼやかして書いてるけど、要は関係者(企業)がチケットばら撒きすぎてませんか?という疑問が沸々と。
それが証拠にこの日のリクエストはかなりの人数に曲を挙げてもらったのに(ユーミン言うところの)苗場では選ばれない(メジャーな)曲ばかりで君達本当にファンかな?と思える客層。
例えて言うなら(まぁ想像なのですが)昔某広告代理店でクライアント向けにばら撒いてたチケットでライブを見ていてファンだと名乗っていた層、とでも言えば良いのか(すげー悪口書いてる気がする)
いや、チケットをクライアントに渡すのは別に良いのよ。どの業界でもあるある話だし。
ただ今回はこの手の人が多すぎないか?と。やり過ぎると濃密な苗場の雰囲気が薄くなるんだよなぁ。
(実際には違うけど)FC限定のライブにライトなファンが大量投入されたような違和感。
運営はチケットの配布方法考えないといかんと思いますよ、いやマジで提言します。
※リクエストコーナー3人目の妙齢の女性が苗場35回目のディープなファンの方で、苗場に対する熱い思いを語ってくれたのが唯一の救いだったかな。ユーミンも物凄く感謝しているように見えたので。
松任谷由実 SURF&SNOW in Naeba Vol.44(セトリ有)

1年振りの苗場。
いや苗場のコンサートは毎年やってるじゃんという突っ込みはあるだろうけど、15年のブランクを経て3年連続で苗場に行く事が自分の人生に再びやって来るなんて思いもしなかったもので(実はそれぐらい私とユーミンとは断絶していたのです)
昨年はメドレーだらけ不満だらけで(詳しくは去年のブログ読んでね)憤懣遣る方ないとはこの事かと我ながら憮然として会場を後にしたので(笑)
果たして2024はどうなるのか?と恐る恐る苗場に向かったのですが。
01. 無限の中の一度 (From TEARS AND REASONS, 1992)
02. 星になったふたり (From 宇宙図書館, 2016)
03. 時をかける少女 (From VOYAGER, 1983)
04. I Love You (From Road Show, 2011)
(MC)
05. 月までひとっ飛び (From 宇宙図書館, 2016)
06. Smile for me (From 宇宙図書館, 2016)
07. 一緒に暮らそう (From NO SIDE, 1984)
(リクエストコーナー3曲)
08. ダンスのように抱き寄せたい (Single, 2010)
09. 白日夢・DAY DREAM (Single, 1980)
10. Northern Lights (From Wings of Winter, Shades of Summer, 2002)
(MC)
11. ノーサイド (From NO SIDE, 1984)
12. ピカデリー・サーカス (From そしてもう一度夢見るだろう, 2009)
13. Babies are popstars (From POP CLASSICO, 2013)
14. Mysterious Flower (From Road Show, 2011)
(MC)
15. 宇宙図書館 (From 宇宙図書館, 2016)
16. 砂の惑星 (From THE DANCING SUN, 1994)
17. 輪舞曲 (ロンド) (Single, 1995)
18. ベルベット・イースター (From ひこうき雲, 1973)
19. July (From U-miz, 1993)
(MC)
20. 時空のダンス (From A GIRL IN SUMMER, 2006)
21. 天国のドア(From 天国のドア, 1990)
22. BLIZZARD (From NO SIDE, 1984)
(EN)
01. 破れた恋の繕し方教えます (From NO SIDE, 1984)
02. 真夏の夜の夢 (Single, 1993)
(DEN)
01. 雪だより (From SURF&SNOW, 1980)
今回どのアルバムから選曲したのかを記載したのには理由がある。
今回のコンセプトキーワードは「宇宙」そして「AI」。
天体や惑星、そしてそれっぽい曲は今までにもリリースしていたにも関わらず2000年代の曲が比較的多めなのが特徴的。
個人的には「DAWN PURPLE」辺りから「POP CLASSICO」まで実は長いことかなり低迷期間だったのでは?と考えている。
低迷というのは売上枚数の事じゃなくて作品の質のことね。
言葉が適切でなければかなり路線に迷っていた期間とでも言ったら良いのか、個別に聞けば良い曲もあるのだけど、アルバムトータルで聞くととっ散らかった印象が多くて。
方向性も定まらず無理矢理取って付けたようなコンセプトを掲げなくてもいいのになぁとずっと思ってたんですよねぇ(ジャケットワークでそれっぽい雰囲気だけは出せるからなー、なんて言ったら意地悪ですか?)
完全に抜け出せたなと思ったのは「宇宙図書館」からか。
それに続く「深海の街」もコロナ禍を意識した作品としてとても良かったように思う。
※個人的には「スユアの波」で持ち直したか?と思ったけどその後が続かなかったんだよなぁ。
そんな不遇な(勝手に不遇扱いするな)時期の曲を再検証、そして再評価したいというコンセプトが今回の苗場なのかなぁと。
次にAI。
MCでも今やAI時代、色々な作品がAIで作り出されて…という話から、次のアルバムにはそういったコンセプトを織り込んでいくかも、との話が。
それに先んじるようにオープニングではドローンが、そして続くステージバックスクリーンには明らかにAIで作成したアニメーションがふんだんに使われてる。
いや、一発で見て分かるAIなのよ。
使った事ある人は分かると思うんだけど、人の顔が若干歪んでいたりデフォルメしすぎてゴブリンのようになったり。
そういうおどろおどろしさもファンタジーとして楽しめる反面、人によっては気持ち悪さもあったりするんじゃないかなぁ。
しかし…AIと言いつつユーミンと正隆さんの中では現代の最先端テクノロジーという解釈になるんだろうなぁと危惧したり。
その結果が「誰かがあなたを探してる」だの「Call me back」になるぐらいだったら止めた方が良いような…まぁこればかりは新譜を聴いてからということで。
…とここまで批判ばかり書いていても何なので(笑)
個人的に良かったなと思った事。
実は今回のセトリではなくリクエストコーナーの「ダンスのように…」に一番ウルッと来てしまった事。
年齢を重ねると激しさだけではない静かな思いを歌う曲が沁みるんですよね…(実はちょっと泣いてしまった)
あと、最近は原曲キーを下げてライブで歌う事が多かったユーミンだけど、今回の苗場は割と原曲キーが多かったのが印象的(「真夏の…」は直前まで行ってたツアーから持ってきたのもあって相変わらずキーは下がってたけど)