且座喫茶。

人生は冥土までの暇つぶしなら。

松任谷由実「The Journey」2023/5/12ゲネプロ・2023/5/13初日@ぴあアリーナMM(セトリ有)


というわけで3ヶ月ぶりのユーミン

3ヶ月前の苗場が怒濤のメドレーてんこ盛りで「苗場に来てまでこういうの聴きたいわけじゃねーんだよ!」と個人的にはやや不満タラタラのライブだったわけで(その辺りは過去のブログ読んでね)



そして今回のツアーもベスト盤リリースを意識した選曲なんだろうなぁと全く期待せずに臨んだわけですが。
唯一違うのは前日にゲネプロ観覧したということでしょうか(まさか当たると思ってなかったからさぁ…いやいや本当にこれは有難く)

以下セトリ。

01. 心のまま
02. WANDERERS
03. リフレインが叫んでる

(MC~新人乗組員の日記)

04. ただわけもなく
05. 満月のフォーチュン
06. TYPHOON
07. 青いエアメイル
08. 紅雀
09. あの日にかえりたい

(MC〜新人乗組員の日記)

10. さまよいの果て波は寄せる
11. セイレーン
12. Blue Planet
13. Delphine
14. LOVE WARS
15. Now Is On

(MC〜新人乗組員の日記)

16. 星空の誘惑
17. 埠頭を渡る風
18. 真夏の夜の夢
19. 航海日誌

(EC)
01. 守ってあげたい
02. やさしさに包まれたなら
03. (Intro. 心のまま〜)春よ、来い

(初日のみDEC)
01. 瞳を閉じて

このセトリを見て逗子マリーナを思い出したあなたはかなりのユーミンファン。
今回のツアータイトルが「The Journey」、セットのモチーフは船…なので逗子で過去に歌った曲が多く引っ張られてきたのかな?という印象。
且つベスト盤からもバランス良く選曲されていて、ご新規さんにも昔からのファンにも優しい選曲の数々。

個人的には「さまよい…」が聞けた事がとても良かったかな。
あのアルバムはホント好きでどの曲も甲乙付けがたいのですが、まさか地味of地味の「さまよい…」が選曲されるとは。
確かに海がテーマではあるんだけど、それだったら「Tropic of Capricorn」とか「水平線にグレナディン」でも良かったよなーと(好きなんです)

そして何と言ってもダンサー、これはかなり見応えあり。
上から吊るされたロープやサークルを多用してサルティンバンコシルク・ドゥ・ソレイユか、というぐらいアクロバティックな演出の数々。

ただ不満…というか演出ミスかもなーと感じたのはそのダンサーの無駄遣いがちょいちょい見られた事。
今回は男性メインのダンサーなのは分かるけど(男7人女2人)せめて「満月…」とか「紅雀」あたりは女性を使った方が世界観が崩れなくて良かったのでは?と。
満月…の男ダンサーの大股開きは正直ちょっとね(笑)

それとMCで今回のツアーの裏テーマと思われる(ウクライナ侵攻を含めた)反戦について、SNSで散見される悪意に絡めて「人々の知性を信じたい」とまとめてしまった事がちょっと短絡的じゃないか?と。

戦争にしてもSNSに蔓延る人々の悪意にしても、現実には複雑に入り組んだパズルだったりするわけで。
そして自称知性を持った人が振りかざす正義同士がぶつかり合うのが争いってもんじゃないのかね?と(この辺りは中島みゆき「Nobody is right」でもみっちり歌われているテーマ)
過去にロシア人ダンサーを使った「シャングリラ」公演も行っているしロシアに(心情的に)寄せているのかもしれないけど。

※今回のツアーで歌った「Now Is On」のラップパートで反戦を含めていた事、そしてツアーグッズもピースマークをモチーフにした物が多かった事からも裏テーマなんだろうなと。

しかし…来年古希を迎えるユーミン、今回のツアーもかなり動かされていた(踊っていた、ではなく正隆さんに無理やり演出させられていた感)のがやや痛々しく。
ユーミンという一大プロジェクト(そう考えるとみゆきは座付き作家兼女優だからなー)はいつまで続くのか

いや、一ファンとして思うのは、こういった大御所アーティストのクローズの仕方。
拓郎は潔く一線を離れみゆきは新譜は出すもののツアー自体は一旦終了としたけど、それじゃユーミンはどのあたりを落とし所にするんだろうなぁと。
何となくそれが気になる。