2年振りの薬師丸ひろ子である。
昨年はチケットを取ったにも関わらず仕事で行けなくなってしまったので今回はそのリベンジを込めての参戦でもあったわけですが。が。
ムムム(色々と言いたいことあるけどまとめてブログで書こう) pic.twitter.com/eJEquDOu3Q
— yass_2nd (@yass_yass_2nd) 2023年10月26日
こう呟いてしまったのには以下のセトリに因るところが大きい。
1.セーラー服と機関銃
2.Come Back To Me ~永遠の横顔
3.あなたを・もっと・知りたくて
4.素敵をあつめて
5.コール
6.語りつぐ愛に
7.うるわしの白百合(賛美歌)
8.潮騒のメモリー
(休憩)
9.もう一度
10.メドレー(星紀行~うたかた~100粒の涙~雨は止まない~過去からの手紙)
11.戦士の休息
12.探偵物語
13.メイン・テーマ
14.Woman~Wの悲劇より
15.愛しい人
(アンコール)
1.元気を出して
2.時の道標(新曲)
薬師丸ひろ子にしても(斉藤由貴もこの傾向があるかな)ファン層もある一定の年齢を超えているのもあるのか、ずっとファンだったけど初めて見に来る人達をもターゲットにせざるを得なくなるから無難なセトリになってしまうのは致し方ないとは思う。
が。
個人的にはこのメドレーというのが厄介で。
「アルバムにも素敵な曲が多いからメドレーにしてみました」とは言ってたものの、コアなファンとしてはこのあたりをフルコーラスで聴きたかったりするんですよね…(ファンって面倒くせーよなと我ながら思う(笑))
嗚呼せめて「100粒の涙」はちゃんと聴きたかったかなぁ。
それとこのツアー、会場によってセトリを微妙に変えてるんですよね。
東京では「戦士の休息」だった箇所が他会場では「時代」(しかもアカペラ版!)になっていたり。
んー…「時代」は聴きたかったんだよなぁ。
何たってみゆき既発曲カバーで個人的に唯一認めているのが薬師丸ひろ子版の「時代」だけだもん。
みゆきが一人一人に寄り添う歌姫型ならば、ひろ子版は万人に希望を降り注ぐ歌の女神的型(この辺り上手く表現出来ないのがもどかしい。嗚呼語彙力の無さよ)
もしアカペラ版の「時代」を聞いてたらマジで号泣してたかもしれない。
あと個人的な薬師丸ひろ子ベスト1「ステキな恋の忘れ方」が入って無いのどうよ?と(これは完全なる私怨)
露骨な性の匂いを漂わせず刹那に交わした情愛を「ステキな恋の忘れ方」でまとめあげた陽水の凄さよ。
それを優等生イメージだった薬師丸ひろ子に歌わせたスタッフの力技は本当に見事と言うしか。
※そう思うと薬師丸ひろ子に異種格闘技戦?させて最後はひろ子がねじ伏せるパターンって多いですよね。吉田美奈子提供の「ハイテク・ラヴァーボーイ」とかね(中島みゆきも成功例か)色々な実験をしたくなる声質ということでもあるけど。
そうだ、最後に一つだけ。
「Woman」は松本隆×ユーミンの傑作曲だと思うしそれに関しては異論なんて(当然)無いのですが。
この曲、映画主題歌(泣く子も黙る?Wの悲劇)と同時に資生堂(ポーセリアだったかな)CMソングだったはずで、その時の映像も相俟って星空の下、ゆるやかな死のイメージさえ漂う佳曲だったのに(死のイメージと言ったのはユーミンだったっけ)
今でも当時のオリジナルキーので歌えるものの、年齢を重ねたせいで声質も少し太さを増して透明感というよりも少し生々しさを感じるような…良く言えば円熟味、悪く言うと心中の匂いさえ漂うという(天城越えまではいかないけど(笑)まぁそれに近いかもしれない)
その辺りは多分本人もスタッフも自覚的なのか、ここ何年かの新曲は本当に「無難な」歌詞が多い。
パブリックイメージを崩さず素敵な生き方を提示する、ファンもそれを望んでいるのかもしれないけど個人的には面白みに欠けるような気がしてねぇ。
まぁこれはひろ子だけに限った事じゃなく、本人が本人のなぞりをしているとでもいうのか手堅くまとまってしまうアーティストが多すぎる。
昔のように潤沢に制作費があった頃じゃないのは重々承知だけどさ、何だかつまらんなーと。
もっと異種格闘技戦が見たいのは贅沢ってもんだろうか。